スマイル歯科医院 の日記
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深い虫歯をどこまで除去するか
2011.01.17
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虫歯は自然には治りません。(非常に稀に乳幼児の非常に軽い虫歯が治ることはありますが…)
ですので原則としては、虫歯は完全にとらないとだダメということになります。
深い虫歯を完全にとった結果、神経がでてしまったら、神経をとらないとだめです。
神経がでてしまったのに、何か詰めておしまいといった治療をすれば、その患者さんは、ず~っとその歯が痛い状態になってしまいます。
神経はとらずに済むならそれにこしたことはありません。神経をとると歯が弱くなってしまうからです。
虫歯を完全にとる方針の歯医者は、神経をとる治療になる確率が上がります。
虫歯を完全にとると削った穴が深くなり、神経がでてしまうことが多くなるからです。
その反面、治療が終わったのに、また中から虫歯が進行して痛くなるという確率は下がります。
逆になるだけ神経をとらずにいこうとする歯医者は、神経をとる治療の確立は下がります。
しかし、虫歯をとり残すことが多くなるため、治療が終了したのに、また中から虫歯が進行して痛くなる確率は上がってしまいます。
どちらのタイプの歯医者がいいのかは一概には言えません。
虫歯を完全にとっても、歯の神経をとるはめになったら、歯自身がこんどは弱くなってしまいます。
歯が欠けたり、根が割れたりする場合もでてきます。
かといって、神経をとらないで済むようにと虫歯を残すと、後からまた痛みがでたりしてしまいます。
実際の話をいいますと、歯医者はどっちかのタイプに分かれるというのではなくて、ケース・バイ・ケースで、治療方法を使いわけています。
たえとえば、まだ中学生の患者さんで根の先も完成してない歯ですと、神経をとらない方をなるだけ優先することが多いです。
とりあえず根の先が完成し、きちんとした根の治療ができるようになるまで、神経をとらずにすむ方がいいと考えるからです。
また、歯医者のいない国に長期間にわたって行く患者さんの場合は、神経をとるはめになっても、虫歯を完全にとることを優先します。
そうでないとその国で歯が痛くなったとき、歯医者にかかれないからです。
このように、深い虫歯の場合、虫歯をどこまでとるかは非常に難しい問題です。
歯科医師は、その患者さんにとって最もよい方法を個別に選択して治療します。