スマイル歯科医院 | 日記 | 磁石の入れ歯

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スマイル歯科医院 の日記

磁石の入れ歯

2011.01.12

磁石でひっつく入れ歯があるのをご存じですか?
入れ歯の内面に磁石を入れてくっつくようにします。

くっつく相手は、頭の部分を削って、根っこだけの状態にしたご自身の歯です。
根っこだけの歯は神経をとります。そして、金属の芯を入れます。
金属の芯にはキーパーといって磁石がひっつきやすい金属が溶接されています。
このキーパーと入れ歯の内面に装着した磁石がピタッとくっつのです。

磁石でくっつくので残ってる歯にバネをかける必要がありません。
ですので、外から見たら入れ歯を入れてるのが分かりません。

バネをかける入れ歯は、食べててはずれてくると、はずれっぱなしですが、磁石の入れ歯はたとえはずれても、磁石の力でまたすぐにくっつきます。

歯が長いと咀嚼時に横の力を受けやすいですが、キーパーを入れる歯は、頭を削ってしまいますので、横の力を受けにくくなります。
咀嚼時の横の力は歯にとって最も悪い力です。
我々歯科医師が歯を抜くときは、まず横の力を加えて歯を脱臼させてから、歯をひっこぬきます。
歯を抜くときに利用してる力が横の力なのです。

さらに磁石は垂直方向にひっぱてもとれませんが、横の力が加わるとはずれやすいです。
このことも磁石の入れ歯でキーパーを入れる歯が、横の力を受けにくい要因となります。
一瞬はずれることで、キーパーが入ってる根っこは横の力をもろに受けなくてすみます。
横の力を受けて一瞬、磁石とキーパーがはずれても、ますぐにピタッとくっつきますので、咀嚼には影響はありません。

歯周病であご骨が溶けてなくなって、動いている歯の場合に、歯の頭の部分を削って根っこだけにして、キーパーを入れて、横の力を受けにくい状態にして、磁石の入れ歯を入れると、根っこだけのその歯は、かなりもつようになります。
磁石の入れ歯は歯周病がある程度進んだ人に最適です。ご自身の根っこが残っていれば、快適な磁石の入れ歯を入れることができます。

しかし、根っこを抜くはめになってしまうと、磁石の入れ歯は入れることができなくなってしまいます。
その場合は、人工歯根をあご骨に埋め込むインプラントの適用になります。
インプラントは費用もかかりますし、技術が進んだとはいえ、異物をあご骨に埋め込むので、リスクをともなうことも事実です。

そういう意味では、まだ歯を抜かなくてもいいうちに、磁石の入れ歯にされることをお勧めします。

但し、磁場を使って断層撮影する脳のMRIでは、磁石の入れ歯は、はずした状態で撮影する必要があります。
またキーパーが磁場を乱して、お医者さんが見たいところの画像が乱れる場合がまれにあります。
その場合は、キーパーを歯科医院ではずしてから、再度MRIを撮影します。

また、ペースメーカーを入れてる人は、入れ歯の磁石がペースメーカーに影響を与える場合があるので、注意が必要です。

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